そんなお悩みを解決します。
目次
本記事の内容
・体幹トレーニングの3つの効果
・ドローインとブレイシングのポイント
・ドローインとは?
・ブレイシングとは?
今回は体幹トレーニングの基本編ということで、すべての体幹トレーニングの基本となるエクササイズを2つ紹介します。
また過去のブログでは紹介していない細かなポイントも解説しますのでもし良ければ最後までご覧下さい!
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記事の信頼性
ユウスケ 理学療法士
理学療法士として臨床経験14年目/運動や姿勢と身体の痛みが専門でMSI(MovementSystemImpairmentSyndromes)コンセプトと出会い4度渡米/Twitter(ユウスケ | 筋トレ怪我ケガゼロプロジェクト)にてフォロワー約13000人/臨床業務とともに現在もMSIコンセプトの講師やアシスタント、各種イベントに精力的に参加している。
2020年8月にTwitterフォロワーが13000人を突破しました。また前回の腹圧の記事のツイートが自身初の1000いいねを超えました本当にありがとうございます!
体幹トレーニングの3つの効果
体幹トレーニングを行うことで得られる効果が大きく3つあります!
運動パフォーマンスの改善
腰痛の改善
心身のリフレッシュ
米国内科学会による腰痛診療ガイドライン1)においても,慢性腰痛に対して最もエビデンスのある治療法は『運動療法』であるとされています。
腰椎は様々な方向への不安定性が腰痛の原因となることが多く、体幹トレーニングはその不安定性を改善し腰痛の改善効果が期待できます。
今回紹介する体幹トレーニングは体幹トレーニングの中でも基礎的な部分である“腹圧”に着目したトレーニングです。
腹圧は体幹の安定性の軸となる重要なシステムです。腹圧の詳細な記事はコチラに載せておきますのでこの記事と合わせてお読み下さい!
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腹圧(ふくあつ)とは?〜腹圧を理解する為にまず読む記事〜
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腹圧を高める運動は主にドローイン Drow-in(2種類)とブレイシング Bracingがあります。
ドローインには、① Drow-in(腹横筋ドローイン)と② Submaximal drow-in (腹横筋ー内腹斜筋ドローイン)があります。
特に今は意味を理解していなくても大丈夫です。
基本的にはDrow-in→Submaximal drow-in→Bracingと段階的に負荷が強くなります。
それぞれの特徴と効果については図にまとめていますのでご覧ください。
ドローインとブレイシングのポイント
ドローインとブレイシングについて詳細な説明をしていく前に腹圧を高めるための重要な知識をもうひとつ説明しておきます。
腹圧を適切に高める為には身体のアライメント(姿勢)に注意する必要があります。
腹腔内にある風船をイメージして下さい。上下の壁が平行であると上下からの圧縮が上手くかけられ腹圧が高まりやすくなります(図左側)。
元々腰椎は少し反っているのが普通ですので、エクササイズ中は骨盤を少し後傾位にすることで腹圧をかけやすくなります。
図右側のように腰椎が過度に伸展し腰が反っていると上下の壁の前方が開いたような姿勢となりこの位置で上下から圧縮をかけても力は前方、腹側へ逃げてしまいます。
今回のドローインとブレイシングについては、このアライメントにも気を配り腹圧を高めていきたいと思います。
ドローインとは?
ドローインは、腹部引き込み運動と言われています。海外ではHollowingとも言われています。
主に腹横筋(ふくおうきん)と呼ばれる体幹の最も深部に位置する筋肉を選択的に収縮します(図左側)。
腹横筋はコルセットのように体幹を横方向へ走行している為、収縮することでウエストが締まり腹圧が高まります。
ドローイン時の腹圧は、どちかと言えば四肢の運動に伴う瞬間的な活動や立位や歩行などの比較的低負荷の運動時に重要です。
今からドローインとブレイシングの方法を解説します、手順❶の姿勢と筋の触診方法は共通ですのでコチラを参考に実施してみて下さい!
ASISは骨盤の前方にある骨の飛び出た部分です。そこから下方内側部分が腹横筋と内腹斜筋の筋収縮を感じやすい部分となります。そこを軽く指で押しておきます。
エクササイズは左上のポジション、上壁である横隔膜と下壁である骨盤底を平行にした姿勢とします。腰椎が床に着くことで骨盤が後傾するので、そこまで股関節を屈曲します。エクササイズではこの姿勢を真似して行って下さい!
Drow-in(腹横筋ドローイン)
[方法]回数 10回 セット 3セット
❶ 仰向けにて両股関節・膝関節を90°屈曲位にする、両手の指先でASIS(上前腸骨棘)の2cm内側下方を触ります。
❷ 息を吐きながらゆっくり腹部を引き込ませます。
❸ 内腹斜筋の収縮により指を押し上げてくる感覚が伝わったらそこで5秒キープ、ゆっくり開始位置に戻していきます。
ポイント:腹横筋は内腹斜筋の深層に位置する為、直接触れることは出来ません。指を押し上げる感覚は内腹斜筋の活動が高まったサインですので、腹横筋ドローインはそのサインまで腹部を引き込みます。
Submaximal drow-in (腹横筋ー内腹斜筋ドローイン)
[方法]回数 10回 セット 3セット
❶ 仰向けにて両股関節・膝関節を90°屈曲位にする、両手の指先でASIS(上前腸骨棘)の2cm内側下方を触ります。
❷ 息を吐きながらゆっくり腹部を引き込ませます。
❸ 内腹斜筋の収縮により指を押し上げ、その後も腹部を引き込めるところまで引き込みます。その位置で5秒キープします。
ポイント:指を押し上げる感覚は内腹斜筋の活動が高まったサインですので、腹横筋ー内腹斜筋ドローインはそれ以上の腹部引き込み運動を行います。
ブレイシングとは?
ブレイシングは、腹部を引き締める運動と言われています。Braceは引き締めるという意味です。
ブレイシングは腹横筋を始め内腹斜筋、外腹斜筋や腹直筋が一体となって収縮している為に非常に強力な圧縮が腹腔内にかかるので腹圧が高まります。
ブレイシングによる腹圧は、どちらかと言えばランニングやジャンプなど高負荷でON,OFFの切り替えがはっきりした運動時に必要です。
ではブレイシングの細かい方法について動画を交えて解説します!
Bracing
[方法]回数 10回 セット 3セット
❶ 仰向けにて両股関節・膝関節を90°屈曲位にします。
❷ 息を吸ってお腹を膨らませます。
❸ その状態をキープしたままお腹全体に力を入れて絞り込んでいきます。
❹ 腹筋を満遍なく指先で押してお腹が硬くなっているかを確認します。
ポイント:❸の絞り込むときのポイントはお腹をパンチされた時に腹筋を硬くするときのようなイメージを持つとやりやすくなります。
まとめ
今回は体幹トレーニングの基本編ということでドローインとブレイシングを紹介しました。
この2つのエクササイズを基本として様々な体幹トレーニングに発展していきます。
体幹を鍛える目的は非常に多様ですから、この2つを基本にそれぞれに合った体幹トレーニングを実践していきましょう!
あとあまり血圧が高い方は長時間息を止める運動は血圧が上がるので注意して下さいね!
参考文献
1)Qaseem A, Wilt TJ, McLean RM, Forciea MA, Clinical Guidelines Committee of the American College of Physi- cians. : Noninvasive Treatments for Acute, Subacute, and Chronic Low Back Pain : A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians. Ann Intern Med, 166 (7) : 514-530, 2017.
2)大久保雄,体幹筋機能のエビデンスとアスレティックトレーニング,日本アスレティックトレーニング学会誌 第 5 巻 第 1 号 3-11(2019)
(注:ここに記載してある運動を行ったことによる症状の悪化や怪我等については当ブログ管理者は一切責任を負いませんご理解下さい)