そんなお悩みを解決します。
目次
本記事の内容
・首の痛みの原因は?
・後ろに倒して痛いのはなぜ?
・筆者オススメ【首筋トレ】
この記事を読んで実践すれば首の痛みの原因を理解出来るとともに、特に後ろに倒して首が痛い人の痛みや首こりの軽減に役立ちます!
この記事は5分程度で読めます!
記事の信頼性
ユウスケ 理学療法士
理学療法士として臨床経験14年目/運動や姿勢と身体の痛みが専門でMSI(MovementSystemImpairmentSyndromes)コンセプトと出会い4度渡米/Twitter(ユウスケ | 筋トレ怪我ケガゼロプロジェクト)にてフォロワー約12000人/臨床業務とともに現在もMSIコンセプトの講師やアシスタント、各種イベントに精力的に参加している。
筋トレで自分の健康と向き合い続ける30代の現役理学療法士です!
首の痛みの原因は?
前回の記事でお話しした通り首の痛みや肩こりの原因は多岐に渡ります。
肩こりに関する記事は首の痛みを理解する上でも非常に有益な情報が沢山載っていますので、こちらの記事と合わせてお読み下さい!
参考肩こり/首の痛みが楽になる!〜原因と対処法(簡単エクササイズ)〜
続きを見る
その中で【肩甲挙筋 けんこうきょきん】と【僧帽筋 そうぼうきん】が大切というお話をしました。
実はこれら2つの筋肉は、頸椎を後方から支える筋肉ですが、これら2つが疲労したり、長時間の収縮を求められると【肩こり/首こり】のような症状となります。
【肩こり】と【首の痛み】は切り離せない存在ではあるものの少し発生源(痛みが起こる場所)が違います。
メモ
肩こり:主に頸椎を支えている筋肉
首の痛み:主に頸椎自体
首の痛みを治そうとすれば、肩こりも治ることはありますし、肩こりを治そうとすれば、首の痛みが治ることもあります。
ただし首の痛みを理解する上ではもう少し細かい頸椎の動きの理解と筋肉へのアプローチが必要になります。
今回は首の痛みの中でも特に多い、首を後ろに倒した時の首の痛みに着目します。
後ろに倒して痛いのはなぜ?
首を後ろに倒すことを頸椎の伸展(しんてん)と言います。
頸椎の運動は後頭骨(頭蓋骨)と第1頸椎〜第7頸椎と第1胸椎との間で起こっています。
メモ
後頭骨〜第2頸椎:上位頸椎
第3頸椎〜第7頸椎:下位頸椎
この記事の中でも概ね上位、下位頸椎と言いますので覚えておいて下さい。
実は首を後ろに倒して痛い方の多くは、上位頸椎が伸展し過ぎで下位頸椎はあまり伸展していません。
そのような方の姿勢を見てみると多いのがこの姿勢です↑
胸椎や腰椎が後弯すると頭が前に偏位してアゴが突き出ます。
この時に上位頸椎は伸展して、下位頸椎は屈曲と前方並進(前方へスライドするような動き)の位置となります。
この姿勢を【前方頭位】の姿勢と言います。首の痛みの中でも最も多い不良姿勢の一つです。
この姿勢で前を向いていると常に上位頸椎は伸展したままなので、ここから上を向くと上位頸椎のみが伸展し過ぎてしまいます。
この上位頸椎のみが伸展し過ぎてしまうのが頸椎の痛みの原因となります。
同じだけ上を向いても、良いパターンとダメなパターンでは関節のそれぞれの可動範囲が異なります。
良いパターン→上位〜下位までバランス良く伸展する
ダメなパターン→上位のみ伸展過剰、下位は伸展が不足
この動きのパターンを改善するためには、首に付着する筋肉を少し理解しておくことが大切です。
首の大事な筋肉まとめ
ここからもう少し深掘りしていきます!
この姿勢の特徴として、頸椎の前側(喉の奥)にある筋肉が伸び過ぎて力が弱く、上位頸椎を伸展する後ろ側の筋肉が硬く、短縮しています。
ですので、このような問題があると下位頸椎の伸展が出にくく、上位頸椎は屈曲しにくくなります。
頸椎の前側(のどの奥)にある重要な筋肉を椎前筋(ついぜんきん)と言います。椎体の前側にある筋肉の総称です。
椎前筋は、頸椎を前方からハンモックのように支えており頸椎を屈曲する役割でありながら、前方から頸椎を支えています。
そして上位頸椎を伸展する筋肉が後頭下筋群(こうとうかきんぐん)と言います。上位頸椎の後方に位置している筋肉の総称です。
後頭下筋群は後頭下に密集しており、頭部表面への神経や血管の通り道であり頭痛などの一つの原因とも言われています。
これらの筋肉のアンバランスを是正することで、頸椎本来の正常な姿勢を作りやすくします。
今回のエクササイズは、後頭下筋群をストレッチして、椎前筋を鍛えようというとコンセプトで作成しました。
もちろん土台となる腰椎や胸椎の不良姿勢があっては首だけを良くしても効果は薄いので、腰椎、胸椎の姿勢に対する運動は前回の記事を必ず参考にして下さい。
参考肩こり/首の痛みが楽になる!〜原因と対処法(簡単エクササイズ)〜
続きを見る
筆者オススメ【首筋トレ】
エクササイズの順番は硬くなった後頭下筋群を柔軟にして、上位頸椎を屈曲しやすくした状態で弱くなった椎前筋を強くするという流れです。
step
1後頭下筋群の柔軟性を改善する
step
2上位頸椎の屈曲の可動性を改善する
step
3椎前筋の筋パフォーマンスを改善する(首筋トレ)
step
1後頭下筋群の柔軟性を改善する
テニスボールを使ったマッサージ
① ボールを画像左の位置に配置します
② タオルでボールを固定します
③ 上位頸椎を屈曲しますorタオルを左右に動かしボールで後頭下筋群を圧迫します
*圧迫は気持ちい程度の強さで十分です。
テニスボールを使ったマッサージ(壁)
① 壁に背中をつけてボールを画像の位置に配置します。
② ボールを後頭部で押しつけた状態で、タオルでボールを保持します
③ 上位頸椎の屈曲と回旋し筋をマッサージします
step
2上位頸椎の屈曲の可動性を改善する
セルフモビライゼーション
① アゴと後頭部を把持します
② 上位頸椎を屈曲しながら左手でアゴを後頭部の方向へ押し、右手で頭部を前方へ押します。
*頭部を回転するような意識で動かしながら軽く押します
上位頸椎のストレッチ
① 両手を後頭部に置きます
② 上位頸椎を屈曲してから後頭部を押します
*胸を張った姿勢を維持しながら後頭部の筋をストレッチします
step
3椎前筋の筋パフォーマンスを改善する(首筋トレ)
ボールを使った首筋トレ
① 壁に手をつき体幹を安定させます
② 頭部でボールを固定します
③ 上位頸椎を屈曲しながらボールを転がします
*胸を張った状態をキープしながら実施しましょう
タオルを使った首筋トレ
① タオルを後頭部にかけ、手でタオルを固定します
② アゴを引き、タオルを後頭部で押しながら、胸を張ります
負荷別の首筋トレ
① 手で助けながら頭を持ち上げます
② 手で助けて頭を持ち上げ→手を離して保持する
③ 手で助けて頭を持ち上げ→手を離して保持する→ゆっくり下ろす
④ 自力で頭を持ち上げる
*頭を持ち上げる時には、必ずアゴを少し引いてから持ち上げましょう←超重要です!
エクササイズの方法
- 運動の回数は10回を目安に3セット
- ストレッチは20〜30秒
- 正確な動きが最優先です、動きは“丁寧”、“ゆっくり”、“痛みなく”
超オススメアイテム!
テニスボールは、安価でありながら絶妙な空気圧と大きさで細かいポイントをマッサージするには非常に有用です。2個をテープでまとめると腰やふくらはぎにも使えて便利です。400円くらいなので持っておいて損はありません!
まとめ
今回は首の痛みの中でも多い、首を後ろに倒した時の痛みに着目して解説しました。
首の痛みの多くは生活習慣、趣味、仕事などの姿勢や動作が原因であること多いので、エクササイズとともに生活習慣を見直しましょう。
エクササイズは、日々の習慣の中にぜひ取り入れて下さい。やりやすい種目、自分に合う種目を見つけて必ず継続しましょう。
(注:ここに記載してある運動を行ったことによる症状の悪化や怪我等については当ブログ管理者は一切責任を負いませんご理解下さい)