

そんなお悩みを解決します!
目次
本記事の内容
・ベンチプレスで肩が痛くなる原因を理解する
・フォームで最も重要なアーチと肩甲骨の寄せ
・初心者でも出来るフォームを劇的に改善する3つのステップ
この記事を読んで実行すればベンチプレスにおける肩のストレスをかなり軽減出来ます。
今肩が痛い方も、過去に痛めたことがある方にもとても有益な内容ですので最後までお読み下さい!
記事の信頼性
ユウスケ 理学療法士
理学療法士として臨床経験14年目/運動や姿勢と身体の痛みが専門でMSI(MovementSystemImpairmentSyndromes)コンセプトと出会い4度渡米/Twitter(ユウスケ | 筋トレ怪我ケガゼロプロジェクト)にてフォロワー約12000人/臨床業務とともに現在もMSIコンセプトの講師やアシスタント、各種イベントに精力的に参加している。
ベンチプレスで肩が痛くなる原因を理解する




ベンチプレスで肩が痛くなる原因はフォームにある
ズバリ!ベンチプレスで肩が痛くなる原因はフォームにあります(その他の条件等が適切であると言う前提です)。
フォームとは、一般的に正しいと言われているフォームです。
筋トレ初心者なら、時間の経過とともにフォームは固まってきます。しかし何ら指導を受けていない、ベンチプレスについて学んでいない方は一般的に良いとされているフォーム自体の獲得が不十分なケースが多くあります。
そして重量を上げようとするあまり、正しいフォームへの意識は薄れ、挙上出来るか否かが基準のフォームへと移行していきます。
フォームが崩れると肩関節の特定方向にのみストレスがかかる
フォームが崩れると肩関節の特定方向にのみストレスがかかります。
肩関節に負担のかかるフォームとは一体どのようなフォームでしょうか?
これはベンチプレスをしている人を頭上から見た簡単な図です。
左側が肩甲骨の内転が不十分な悪いフォームで、右側が肩甲骨の内転が適切な良いフォームです。
いわゆる【肩甲骨を寄せる】フォームです。


肩甲骨の内転が不足すると、肩関節の水平伸展が過剰になります。
ベンチプレスのような多関節種目では一つ関節の動きが不足すると、別の関節が動きを補います。
肩関節の水平伸展と肩甲骨の内転【トレードオフの関係性】
より詳細を見ていきましょう!頭上から左の肩関節を見ています。
肩甲骨(赤:悪いパターン、緑:良いパターン)と上腕骨が作る水平伸展(別名:水平外転とも言います)角度に注目です!
ポイント
赤:悪いパターンは肩甲骨が外転(+内旋)し肩関節の水平伸展が増加しています。
緑:良いパターンは肩甲骨が内転(+外旋)し肩関節の水平伸展が減少しています。
このようにバーベルにより肘から先は固定されている為、肩甲骨の位置の変化は直接上腕骨の位置の変化となり、肩関節の水平伸展角度が変化します。

大胸筋ではなく肩関節の前面を構成する関節や筋が損傷し痛みが出る
↑左腕を前面から見た図です
水平伸展角度が増加すると肩関節の前面に伸張ストレスが増加します。
特に肩甲骨と上腕骨の間に付着を持つ、筋や腱、靭帯などが伸張されます。しかも、これらの筋肉は肩関節(肩甲上腕関節)で大きな力を出すのには不向きな筋肉です。
これらが自分の体重以上の負荷を支えるには非常に難しく損傷しやすくなります。
大胸筋は身体の前面の広い範囲から上腕骨に付着し、その上腕骨は肩甲骨の位置に依存します。ですので、負荷を上手く大胸筋に乗せるか否かは肩甲骨の位置にかなり左右されます。
フォームで最も重要なアーチと肩甲骨の寄せ


肩関節のストレスを軽減するには肩甲骨の位置が大切と言うことは理解できたと思います。
今回はもう一つ深掘りしてアーチを形成する脊柱の重要性についても説明していきます。
肩のストレスを軽減するには、鍵は肩甲骨と脊柱にある
アーチとは?
アーチまたはブリッジとは、ベンチプレスを安全に効果的に行うこのような身体の反りです。主に上背部を伸展により胸を張るような動きです。
肩のストレスを軽減する為には肩甲骨の位置とともにとても大切なのは、脊柱を含む体幹です。
脊柱のアライメント(配列や姿勢)は、肩甲骨の位置を決める超重要因子です!
脊柱は家(肩甲骨)の土台部分であると仮定すると家の土台が傾けば、家(肩甲骨)は傾くのが理解できます。
脊柱は肩甲骨の動きの土台となる
この図の左側は良いアライメントです、右側は胸椎の屈曲が強くそれに伴い肩甲骨が前傾しているのが分かります。
肩甲骨は胸郭上に乗っているような構造上、胸椎が屈曲すればするほど前傾がしやすくなります。
胸郭は実際には楕円形の筒状をしているので、胸椎が屈曲すると肩甲骨が前傾だけではなく外転+内旋し肩が前に出ているような姿勢となります。
前述した通り、肩甲骨が外転する=内転が不足し、肩関節の水平伸展角度が増加して肩関節の前面に伸張ストレスを加えることになります。
胸椎が伸展すれば肩甲骨は後傾+内転+外旋しやすくなる!


左がリラックスした姿勢、真ん中の図に示す通り、胸椎を伸展すれば胸郭が少し上向きとなり肩甲骨が後傾します。
後方から観察(右図)すると胸椎の伸展は、同時に肩甲骨の内転と外旋を引き出します。
これらが肩関節のストレスを軽減してくれる脊柱の動きということになります!
肩甲骨の運動と肩関節のケガとの詳細な記事は有料noteに記載してありますのでコチラもよければご覧下さい!
さらに詳しく
ココがポイント
・肩の痛みが出るのは肩甲骨の動きに問題があることが多い!
・肩甲骨と肩関節(肩甲上腕関節)の動きはトレードオフの関係性!
・肩甲骨の動きの土台である脊柱(アーチ)が伸展することがポイント!
初心者でも出来るフォームを劇的に改善する3つのステップ
では最後に初心者でも出来る肩に負担をかけない為のフォーム改善の3ステップをご紹介します!細かい事を理解するのが苦手な方はここだけでも実践してもらうだけでも効果を実感すると思います!
step
1肩甲骨を寄せる、胸を張る姿勢を作ろう
● 肩甲骨の内転と胸椎の伸展は連動させて動かすとより胸を張る動きを作りやすい。
❶ 手の平は上向き ❷ 肩関節を外旋し ❸ 胸椎の伸展と肩甲骨の内転
❹ 息を吸って胸郭を拡げることも大切↓
step
2バーを胸でむかえる意識を持つ
● ベンチプレスでバーを下ろす際に胸をバーに近づけていくような意識を常に持つことで肩関節に一番負荷のかかりやすい位置で胸椎の伸展を維持出来る
自宅で出来るように壁を使ったPush Upの例をあげます。
↑
悪い例:肩甲骨が外転し、胸椎が屈曲したままです。
↑
良い例:肩甲骨が内転し、胸椎の伸展が出ています。
step
3アーチを維持する
● 良いフォームを固める為にベンチプレスを行う場合は、レップ数(回数)をこなすごとにアーチが下がってくる場合は無理せず止めること。アーチを維持する為には吸気で胸を開き呼吸を止める為、息が余裕で持つレップ数をまずは練習します。
まとめ
初心者🔰がベンチプレスでケガをしない為には、早くにこのようなポイントに気付けることが大切です。中級者、上級者は、経験や知識が豊富でこのようなポイントを無意識的に出来るようになっていることが多いです。
ある程度負荷をかけた筋トレを継続する為には、一番大切なケガをしないことを最優先に徹底してください。
趣味で筋トレをして、日常生活に支障をきたすようなケガは、仕事や家族にも迷惑をかけるので改めて“焦らない”でゆっくり筋肉を育てていきましょう!
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