そんなお悩みを解決します。
目次
本記事の内容
・腰痛や膝の痛みの原因は股関節の構造にあった!?
・大腿骨の構造に合った動作で痛みを予防/緩和する
・大腿骨の前捻角のチェック方法
・膝への影響、腰への影響
この記事を読んで実践すれば、あなたの構造に合った動作獲得が出来、様々な関節の痛みへの対処が可能となります。
この記事は5分程度で読めます!
記事の信頼性
ユウスケ 理学療法士
理学療法士として臨床経験14年目/運動や姿勢と身体の痛みが専門でMSI(MovementSystemImpairmentSyndromes)コンセプトと出会い4度渡米/Twitter(ユウスケ | 筋トレ怪我ケガゼロプロジェクト)にてフォロワー約12000人/臨床業務とともに現在もMSIコンセプトの講師やアシスタント、各種イベントに精力的に参加している。
腰痛や膝の痛みの原因は股関節の構造にあった!?
長引く腰や膝の痛みの原因は股関節の構造にあります!
こう言うと驚く方もいるかもしれません。顔にも個性があるように、股関節にも骨の構造に個性があり人それぞれ違います。
この骨の構造にマッチしない運動や姿勢を行うことが、腰や膝関節へのさらなる負担となり痛みの原因となります。
股関節は、大腿骨と骨盤とで構成されており今回は特に重要な大腿骨の捻転(ねじれ)について解説していきたいと思います。
大腿骨の構造に合った動作で痛みを予防/緩和する
大腿骨は前方に捻れています、それを大腿骨の前捻(ぜんねん)といいます。
正常な大腿骨も約15°の捻れ(ねじれ)があり、この角度を前捻角と言います。
ポイント
・正常:約15°
・過度な前捻:15°以上
・後捻:15°以下
この前捻角は股関節の内旋と外旋の関節可動域(以下ROM)に直接影響を及ぼします。
例えば過度な前捻であれば、ROMは内旋>外旋となります。
後捻であれば、内旋<外旋となります。
この可動域の差は、股関節の中間位の変化によるもので全ROMの総和は基本的には変わりません。
この記事の中でも簡単に触れましたが↓
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ココに注意
❶ 割座(わりざ)は出来る○→胡座(あぐら)は出来ない✖️
:過度な前捻の可能性あり
❷ 割座(わりざ)は出来ない✖️→胡座(あぐら)は出来る○
:後捻の可能性あり
このように説明しましたが、理由はこの股関節の内外旋のROMの優位性にあるのが理解できると思います。
過度な前捻である人は少し内旋位(内股)で膝がやや内側を向くのが自然な姿勢で、後捻である人は外旋位(外股)で膝がやや外側を向くのが自然な姿勢ということになります。
大腿骨の前捻角のチェック方法
ここでは実際に誰でも出来る大腿骨の前捻角(大まかにどちらよりかを確認する)のチェック方法を解説します!
チェックリスト
- 一方向にROMが過剰、反対方向が制限
- 腹臥位(うつ伏せ)と背臥位(仰向け)股関節90°屈曲位での内旋と外旋ROM
- 座位(座っている姿勢):前捻→割座(わりざ)や横すわりの癖がある、後捻→足部を反対側の膝の上に置いて足を組む癖
皆さんが出来るチェックリストは上記3つです。これで概ね過剰な前捻があるのか、後捻があるのかは推測できます。
ただし年齢とともに筋肉や関節(軟部組織や結合組織)の柔軟性がなくなり、ROM自体が低下している方や手術などの既往歴がある方はあまり参考にならないこともありますが傾向は掴めるでしょう。
ここでは腹臥位(うつ伏せ)での股関節のROMを深掘りして見ましょう!
腹臥位(うつぶせ)になり、このように股関節を内旋と外旋させます。これは自分で行ってもらっても可能です。
この位置でそれぞれ写真を撮って置いて下さい。
(注:図中の実際の足の位置は統一していますので、青線:内旋と赤線:外旋をご覧ください)
過度な前捻の目安は、ROMが内旋が外旋よりも15°以上大きい場合です。上図のように内旋が80°で外旋が10°である場合は、その差は60°なので明らかに前捻していることが理解できます
後捻の目安は、ROMが外旋が内旋よりも15°以上大きい場合です。図では外旋が80°で内旋が10°でその差は70°なので明らかな後捻と言えます。
これら3つのポイントで、すべてにおいて一致する所見があればそのような骨の構造に合わせた姿勢や運動の方法が必要ということになります。
これで過度な前捻や後捻であってもそれは病気ではなく、ある種の個性なのでそれほど気にする必要はありませんが知っておくと回避できるケガのリスクもありますので心に留めておくと良いと思います。
膝への影響、腰への影響
最後に腰や膝への影響を少し深掘りしていきましょう!
過度な前捻や後捻の方は主に得意な方向や苦手な方向が明確であることが多く、その苦手な方向へ動きを強制しようとすると他の関節がそれを補います。
これを代償運動と言います。
代償運動は関節の生理学的運動(股関節の屈曲や伸展等)と副運動(大腿骨頭前方滑り等)に起こります。
例えば、過度な前捻がある方は股関節がやや内旋位が中間位です。この方に下肢を大きく外側に開いてもらうと、股関節が外旋がしにくい為に他の関節で代償運動が起こります。
一見爪先は外側に向いているようには見えますが、それは各関節や関節内での代償運動の結果と言えます。
この代償運動の起こりやすい部位というのは主に柔軟である場所に起こりやすいと言われています。例えば、膝関節が柔軟である場合には、膝関節(下腿の外旋)に代償が起こりやすくなり、回旋しやすい膝関節はケガの原因となります。
続いて後捻の場合には、やや外旋位が中間位です。この方に股関節の内旋を強要すると内旋可動域が少ない為、他の関節に内旋の動きの代償が起こります。
例えばゴルフスイングをイメージしてみて下さい。後捻である方が前脚の爪先を真っ直ぐ正面に向けてスイングすると上半身から左回旋→骨盤が左回旋、左の股関節は相対的に内旋が強要されます。
内旋ROMが少ない為に、その代償運動は腰や膝関節に集中します。このように回旋系のスポーツでは特にこの大腿骨の捻転の問題は重要な要因になります。
行うスポーツによって代償運動の現れ方は異なります。
まとめ
このように大腿骨の捻れ(ねじれ)である大腿骨の前捻を理解することで、代償運動を防ぎ、ケガを防ぐことが出来ます。
私自身もツイッター等で前捻角については、継続して発信してきたつもりですがまだまだ一般の方へ浸透はしていないようです。
この記事を読んで少しでも参考になったという方は、ぜひシェアして頂けるとその投稿で誰かのケガを防ぐキッカケを作れるかもしれないので良ければよろしくお願いいたします。
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