そんなお悩みを解決します。
目次
本記事の内容
・O脚とは?
・O脚の原因は?
・O脚のメカニズム
・O脚チェック
・O脚改善エクササイズ
今回は特に女性の方に多いお悩み『O脚』について解説します!O脚と言っても実はとてもバリエーションが多く、若い世代〜高齢者まで多岐に渡ります。
今回は主に若い世代(10代〜40代)にターゲットを絞ってお話しします。
記事の信頼性
ユウスケ 理学療法士
理学療法士として臨床経験14年目/運動や姿勢と身体の痛みが専門でMSI(MovementSystemImpairmentSyndromes)コンセプトと出会い4度渡米/Twitter(ユウスケ | 筋トレ怪我ケガゼロプロジェクト)にてフォロワー約12000人/臨床業務とともに現在もMSIコンセプトの講師やアシスタント、各種イベントに精力的に参加している。
O脚を正しく見極め、少しでも健康な美脚が増えることを願って記事を書きました!
O脚とは?
O脚とは、医学的な用語では内反膝(ないはんひざ)と言われています。私たちが医療現場で見る内反膝とは、高齢者の方の変形を伴うものがほとんどです。
内反膝には、
内反膝の種類
姿勢性のO脚
構造的なO脚
の2種類があります。
前者は比較的若い健康な女性に多く、いわゆる治りやすいO脚です。
後者は主に高齢者に多く、膝関節自体の変形が伴っている為に運動などではO脚自体を治すことは出来ません。膝関節に負担をかけないような動作を心がけたり、筋力や関節の可動性を改善することで生活の質を落とさないようにすることが出来ます。
この姿勢性のO脚は、股関節、膝関節、足関節の機能が低下した状態とも言えます。ですのでこの状態をほっておくことで、関節への負担が蓄積し、年齢とともに構造的な変化(いわゆる変形性膝関節症)をきたします。
変形性膝関節症の推定患者数は約3000万人(自覚症状のない人も含める)とも言われています 1)。
筆者は、地域の高齢者を沢山みていますので、ぜひ若い世代の方はO脚を甘くみないで、今この記事を読んだら実行に移してO脚を治して健康な美脚を目指して欲しいと思います!
先ほども言ったようにO脚というのは、実はとても様々なバリエーションがあります。
脚全体がOの字に見えることからそのように名付けられており、大腿骨と脛骨とのアライメント(配列)を見て判断します。
大腿骨と脛骨との角度は正常であればおおよそ175°ですが、X脚はより角度は小さく、O脚は角度がより大きくなります。
これはレントゲン等の画像診断でなければ確実な評価は難しいところです。
姿勢は見え方の問題であるがゆえに、O脚だと思っていたのが実際には脛骨(スネの骨)の構造の問題だったということもあります。
今回は、治りやすいO脚とO脚に見えやすい脛骨の構造の見分け方も解説します!
治りやすいO脚は特に若い女性に多い、膝の過伸展(かしんてん:膝が過度に伸びた状態)を伴ったO脚です。
この2つ写真を見てどちらがO脚か分かりますか?
もちろん左側がO脚に見えますね(僕自身はそれほどO脚ではないのでO脚には見えにくことはご了承下さい)。ちなみにこの2つは同一人物で、左側から右側へはものの10秒で変えられます。
同一人物でも、関節の角度や姿勢の取り方によりかなり見え方は変わります。これらはすべて姿勢性のものです。
では姿勢性のO脚の姿勢を良く見てみましょう!
股関節は内旋(ないせん:内股の動き)し、膝関節が過伸展しています。横から見ると分かりやすいですね!
実はこの組み合わせによって正面から見るとO脚に見えます。これを改善する為には、お尻に力を入れて股関節を外旋(がいせん:ガニ股の動き)し、膝関節の過伸展(膝のロック)を少し緩めると姿勢性のO脚は改善できます。
この膝の過伸展を伴ったO脚の最大の問題点は、
ポイント
・股関節が上手く機能していない
・足関節が硬い
・膝関節の構造自体に頼っている(膝の負担が大きい)
ということです。
O脚の原因は?
O脚の原因は多岐に渡ります。
・座り過ぎ
・足を組む習慣
・ヒールの高い靴を履く習慣
・立ち方の癖
・寝姿勢の癖
・運動不足
一般的に言われている原因とは、O脚に特異的(直接的)なものではありません。
これから説明するメカニズムを理解すれば自分の生活習慣の何がO脚を助長しているかを理解できるはずです。
ここから読み進めるにあたって忘れてはいけないポイントは以下の3つです。
ポイント
☑︎ 股関節
☑︎ 膝関節
☑︎ 足関節
これらの相互作用がO脚を理解する上では重要です!
O脚のメカニズム
では実際にO脚に見える、O脚になるメカニズムをひとつずつ解説していきます。
股関節が内旋する原因として考えられるのは、特に中臀筋や大臀筋、深層外旋筋と言われる外旋筋の筋パフォーマンスの低下です。
お尻の後面にこれらの筋肉は位置しており、これらが機能しなかったり筋力が弱かったりすると股関節は内旋しやすくなってしまいます。
特に座る時間が長かったり足を組む姿勢が習慣化されているとお尻の筋肉は常にストレッチされてしまう為にそのような方はより筋パフォーマンスは低下します。
女性は大腿骨の前捻が強い方も多く内旋しやすく外旋しにくい特徴があります。前捻については詳細は過去のブログをご覧下さい!
こちらもCHECK
股関節/大腿骨の捻れ(前捻角)〜痛みの理解を深める解剖学/運動学的知識〜
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ですのでより前捻角の強い方は外旋筋群のパフォーマンスが求められます。
次に足関節が硬さについては、膝関節の過伸展に直結します。膝関節を屈曲すると足関節は背屈し、膝関節を伸展すると足関節は底屈します。
例えばハイヒールを習慣的に履いている人の姿勢は、足関節が底屈位に固定されます。
ハイヒールを履いて歩くと、ヒールの低い靴や裸足と違って歩くと膝関節はより伸展すやすくなる方向に力が加わります(これを膝関節の外部伸展モーメントと言います:図の矢印が膝の前方を通ることに注意)。
ハイヒール歩行については、習慣的に履き慣れていて美しく履いている人と膝が逆に曲がってしまう人もいるそうなので一概にもハイヒールが膝の過伸展に直結するとは言えません。
ヒールが高い靴を履く習慣のある方は、習慣的に足関節が底屈位のためふくらはぎの筋肉が硬くなったり短くなります。
このような方は、硬くなったふくらはぎの筋肉や足関節の背屈が不十分な影響で脛骨を後方へ引き、膝が過伸展し、足関節が底屈位になろうとします。
結果膝を中心とする上下の関節の影響が股関節を内旋+膝関節の過伸展→O脚の流れを助長してしまいます。
もちろんハイヒールを履かない人でも、足関節が硬い人は同様の現象が起こりやすくなります。
この記事で紹介するエクササイズは、① 股関節 ② 足関節 ③ 全体の流れでO脚を改善し健康な美脚を手に入れる本気のプログラムとなっています。
O脚チェック
[方法]
① その場で10歩ほど足踏みします
② 正面を向いて立ってみましょう
③ 正面と側面の写真を撮影してみましょう
正面→膝のお皿が正面〜少し内側を向いている、膝の間があいている
側面→股関節や足関節よりも膝が後方にある、膝の裏のしわが良く見える
これらのチェック項目に多く当てはまる方は、膝関節の過伸展を伴うO脚である可能性があります。
次に
④ お尻に力を入れて膝を外側に向けます
⑤ 膝関節をほんの少しだけ緩めます
⑥ 正面と側面の写真を撮影してみましょう
これで正面像でO脚が改善していれば、姿勢性のO脚である可能性が高くエクササイズがより効果を発揮します。
正面像では脛骨が捻れているかを確認します。垂直よりも約10°以上の傾きがある場合には、脛骨の内反(ないはん)と言って脛骨自体が元々Oの字に見える為にO脚に見えやすくなっている可能性(時々膝下O脚とも言われています)があります。
この脛骨自体の捻れは改善することは出来ませんが、それ以外の要素を改善することでO脚に見えにくくすることは可能です!
分かりやすい図を載せておきます。左から正常、O脚、脛骨内反です。
O脚改善エクササイズ
今回紹介するエクササイズは、【本気で治す】がテーマです!最初は少しキツいかもしれませんが、1ヶ月行うことでO脚が改善され、美しい歩き方に変わります。是非継続して行って下さい!
エクササイズは3部構成で6種目です、負荷の低い順に ① 足関節→② 股関節→③ 全体と分けています。
エクササイズの効果
・脚全体の筋力を向上しO脚を改善できる
・ヒップアップ
・むくみ浮腫が改善する
O脚ではない人も女性には嬉しいこれらの効果も期待できるので是非挑戦してみましょう!
簡単な流れ
- 足関節のストレッチ 2種目
- 股関節の筋トレ 2種目
- 全体筋トレ 2種目
足関節のストレッチ
❶ タオルを使ったふくらはぎのストレッチ(ストレッチ30秒✖️3セット)
[方法]
① 壁に踵をつけ、タオルを爪先より少し下側に引っ掛けます
② タオルを両手でしっかり引っ張りストレッチします 30秒
③ 筋肉が完全にリラックスするのを待ちます 10秒〜15秒
④ 自力で爪先を持ち上げます 10秒
①〜④を3セット繰り返します
❷ 壁を使ったふくらはぎのストレッチ(ストレッチ30秒✖️3セット)
[方法]
① 壁に向かい合います
② 踵を可能な限り近づけて爪先を壁につけます
③ 体全体を前傾させてふくらはぎをストレッチします
股関節の筋トレ
❸ クラムシェル 1&2
クラムシェル1
[方法]
① 横向きに寝ます、両股関節を45°、膝関節を90°に曲げます
② 足はつけたまま膝を持ち上げるように足を開きます
注:お尻の筋肉が収縮しているのを触って感じましょう!
クラムシェル2
[方法]
① 横向きに寝ます、下側の股関節は45°、膝関節を90°に曲げます、上側の脚は真っ直ぐに
②上側の脚を壁に添わしながら持ち上げ開きます
❹ サイドプランクでの股関節外転
[方法]
① 肘をついた横向きに寝ます、股関節は真っ直ぐ、膝を約90°曲げます
② 下側の腰を持ち上げます
③ 上側の脚を開きます
注:これが簡単な場合は下側の膝を伸ばした方法もオススメです!
全体筋トレ
❺ シングルレッグスクワット
[方法]
① 椅子に腰掛け、片脚は浮かした状態をキープします、両手は胸の前
② 椅子から立ち上がります、座る時はゆっくり座りましょう
*膝が内側に入らないように外側に向けるように意識します!
注:片脚で立ち上がれない場合は、両手で椅子を少し押して補助します
❻ シングルレッグデッドリフト
[方法]
① 片脚で立ち、膝をほんの少しだけ曲げます
② 支持している脚とは反対の手で床または、自分の足にリーチします
注:もし片脚で出来ない場合は、後ろ足を軽く壁につけておきましょう
これらのエクササイズを継続しながら、日々の立ち姿勢にて以下の内容を意識しましょう!
ココに注意
・膝を少し外側に向けるようにお尻を絞る(股関節を外旋)
・膝を少し緩める(膝関節の過伸展をしない)
・頭の先から少し引っ張られているように立つ
まとめ
普段からあまり運動していない人であれば、2〜3週間の継続でも身体の変化に気づくはずです。
身体が動かしやすくなったり、疲れにくくなったり、運動には色々な効果が期待できます。
このO脚改善のエクササイズで健康な美脚を手に入れ、ライフスタイルの変化が少しでもあれば幸いです!
もしこのブログで紹介したエクササイズを実践している方は、Twitterにてタグ #ユウスケチャレンジ を使ってみて下さい!
参考文献
1)「介護予防の推進に向けた運動器疾患対策について 報告書」平成20年7月 介護予防の推進に向けた運動器疾患対策に関する検討会
2)Kristen Boren,ELECTROMYOGRAPHIC ANALYSIS OF GLUTEUS MEDIUS AND GLUTEUS MAXIMUS DURING REHABILITATION EXERCISES,Int J Sports Phys Ther. 2011 Sep; 6(3): 206–223.
(注:ここに記載してある運動を行ったことによる症状の悪化や怪我等については当ブログ管理者は一切責任を負いませんご理解下さい)